人生が楽になる着物ブログ

着物やアートの視点から人生が楽になるお話をしています。

人生を変えるかもしれない普段着物

着れると世界が変わる?着物の世界

今回はこれから注目したい普段着物の世界について説明していきます。

目次

着物の衰退の歴史とこれから

日本の伝統衣装の着物。
しかし、現在の日本で着物を着る機会はとても少なくなってきています。

洋服が普及してきた時代。
着物はその立場を守るためにフォーマル着として特化してきました。
そのため式典などの場で着る格の高い着物が現代人のイメージする着物として定着しました。

しかし、最近は結婚式でも両親が着物を着ることは少なくなり、
ドレスやモーニングなどが一般的になってきています。
着物業界が衰退といわれるのも仕方ないことかもしれません。

こんなにも洋服が浸透した時代でも着物が好きな人は一定数いるのも事実です。
そこには着物は洋服にはない魅力があるからにほかなりません。
もちろん昔から着物を着ている年配の方が多いのですが、
最近は普段着として着物を着る若者もすこしずつ増えてきています。
TwitterInstagramで普段着の着物写真を見ることも多くなってきました。

これからの時代はAIなど最先端技術が新しい時代を作っていきます。
より一人一人の個性や独創性。機械では再現できないこと、人間らしさや独自性が求められる時代です。
科学技術による効率的な新しいライフスタイルが産まれる一方、人間にしかできない技術や感性。
無駄を楽しむライフスタイルも注目されるようになる時代が来ています。
着物という日本の美意識を若者の新しい感性で新しく着こなす時代です。

普段着物ってなに?

結論としては言葉の通り普段着る着物が普段着物です。
昔の日本では着物が普段着でした。
そのため普段着物なんて言葉はもともとは存在しません。
歴史でもあったように現代の着物はフォーマル特化してきたために
着物の格や着方に厳しいルールが残っていたりします。

昔も小紋*1の柄によって武家を分けていたり
平民は高級な絹織物は着れなかったため、綿や麻の着物を着ていました。
この名残は現在も残っているのですが、
着物として木綿や麻の着物は洒落着(しゃれぎ)*2といわれ、
格が低いです。
また、洒落着として有名なものに紬(つむぎ)があります。
最初はわかりづらいのですが、紬は絹でできていますが洒落着に分類されます。
簡単に言うとそのまま使えない絹を糸状につむぐことで糸を作り、織った織物です。
ただし、ほかの絹織物と比べて単純に質が劣るとか価格が安いとは言い切れないのが
着物の難しいところです。

素材についての格と、柄による格の違いがあり着物初心者にとってはここが一番、理解に苦しむ部分です。
留袖*3、訪問着*4小紋*5など染め方や模様の施し方でも格が変わってきます。
着物の格については知るとなかなか面白くもなってくるのですが、とっつきにくい印象を与えるのが事実です。

素材と柄とで洒落着の定義は難しい部分があるのですが、主に洒落着に分類される着物が普段着として着る着物と考えてもいいかもしれません。

しかし、結局は着物もファッションなので着たいものを着たいときに着たいように着るのが一番です。
最近は着物と洋服をミックスしたコーディネートをする若者も増えています。

着物を着るとどう変わる?

現代に着物を着ている人は本当に少ないです。
京都などを歩けば別ですが、普通に生活していて着物を着ている人とすれ違うことはまずありません。
それくらい着物は珍しいものになりました。

着物を着ない理由として

  • 着方がわからない。
  • 目立つので人前で着るのが恥ずかしい。
  • 着ていく場所がない。
  • 価格が高くて買えない。

主に上がるのは以上ですが、このデメリットは考え方を変えるとメリットになることもあります。

まず、着方がわからないという点ですが、最近はYouTubeなどでも着物の着方についての動画も上がっています。
洋服より簡単に着れます!とまでは言えないですが慣れればそんなに難しいことはありません。
また、着付けが難しいと感じる理由として現在はフォーマルが基準になっている部分もあります。
着崩れなどはご法度で、きっちり着るのが当たり前になっています。
しかし、昔の日本で普段着として着物を着ていた時代は着崩れは当たり前でした。
着物警察と呼ばれる人たちから見たら気になる部分はあるかもしれませんが、
まず着物を着てみようと思い立って、実際に着てみることが大きな一歩です。
それだけで洋服とは全く違ったコーディネートができてファッションの幅が広がります。
また、着れない人が多いからこそ着れるようになると尊敬されます。

目立つので恥ずかしいというのもよく聞くのですが、これは慣れな部分が大きいです。
なにより自分の好きなものを好きですと堂々とみんなに伝えることはとても気持ちがよく、かっこいいことです。
日本人は空気を読んで周りに気を使ったりと、協調を好む傾向がありますが着物人口は多くないからこそ自分の個性を十分に発揮して目立つことができます。
逆に自分に自信がなかったりする人ほど着物を着て街を歩いてみたりすると、周りからの視線も変わり自分自身に自信が持てるかもしれません。

着ていく場所がない、価格が高いについてはメリットにまではならないかもですが、解決する方法はあります。
まずは特別な日の着物ではなく、普段着として着物を楽しんでみましょう。
一カ月に一回程度でもいいので何でもない日に着物を着てみましょう。散歩に行くだけでも大丈夫です。
すこしづつ気持ちが変わって、どこかに行くから着物を着るのではなく、着物を着てどこに行こうかなっとわくわくしてくるはずです。
普段何でもない日に着るからこそ価格も抑えたいですよね!着物はフォーマルよりで現在も作られているものが多いですし、職人さんが手作業で制作している関係もあり、洒落着でも高いものが多いです。何十万もする着物をホイホイと着れる人は少ないですし、若者でそんなにお金に余裕がある人は少ないです。
今は着物を扱っている古着屋さんも多くありますし、メルカリやジモティーなどで取引されているものも多いです。
着物をきれいに着るためにはサイズ感は結構重要なのでもちろん新品がいいのもありますし、工芸品としての価値があるものがあるので高いものはそれなりにいいものではあるのですが、普段の着物としては敷居が高いですし着物業界は古い業界なので買い方も難しいです。

まずは、着物を着ることを楽しむことが大切です。
難しいというイメージが強いために着られることが少なくなった着物ですが、
だからこそほかの人とは違ったライフスタイルが手に入ります。
SNSなどで着物好きと繋がったり、着物を通じてつながるコミュニティーもあります。
着物はあなたの人生の幅を広げてくれるかもしれません。

一番伝えたいこと

ここまで普段着物について語ってきましたが、
これからの時代はロボットができることはロボットがやってくれる時代です。
人間らしく生きること、好きなことに没頭していきれるようになります。

新しいデジタルメディアでの娯楽が増える一方で、古くからの伝統文化の魅力も再発見される時代です。
みんなが同じように生きるのではなく、自分らしく生きることがより人間として幸せを感じられる時代が来ると思っています。
その選択肢の一つとして着物があればいいなって思っています。

そして着物を着る人が増えれば着物はこれからも新しく進化していきます。
伝統を守り、新しい時代に繋いでいくためにもたくさんの人に工芸の魅力が伝わるように活動しているのでよかったらこれからも読みに来てくださいね。
ありがとうございました。


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難しい染織の技術や着物の文化についてできるだけわかりやすく発信しています。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

stand.fm


*1:主に小さな文様のこと

*2:オシャレのために着る着物

*3:黒留袖を代表とする最も格の高い着物

*4:式典やパーティーなどにも着ていける着物。胸、肩、袖、裾にかけて模様がつながるように染められた着物の名称

*5:小さめの文様を着物全体にあしらった着物の名称