人生が楽になる着物ブログ

着物やアートの視点から人生が楽になるお話をしています。

着物×LINEスタンプ×NFT企画

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着物×LINEスタンプ×NFT企画

未来の着物クリエイター、あのねです。

以前に開催して盛り上がった着物LINEスタンプ企画の第二弾のお知らせです!

着物LINEスタンプ企画の第二弾!
詳しい内容や応募方法などについて説明していくよ。

●着物×LINEスタンプ×NFT企画とは?!


着物×LINEスタンプ×NFT企画では、

あなたの着物姿をLINEスタンプとNFT作品にします。

着物をもっと盛り上げたい!広めたい!
着物にもフォーマルからカジュアルまでいろんな着方やジャンルがあって、そのすべてが魅力的なことを伝えたい!!
伝統的な着物から新しい着物文化までいろんな価値観を認め合える世界を創る!

リアルに着物を楽しんでいる人たちのいろいろな着物姿をイラストにすることで、
こんな着物の着方もあるんだ!着てみたい!など、コーディネートの参考にしたり、着物に興味を持つ人を増やしたい。

今回は新しくNFT作品化(世界に一つだけの画像データ作品になります。)を追加。
伝統だけでなく、全く新しい着物文化の創造のために最先端技術を取り入れていきます。
着物好きの人たちにこれからの新しい着物の未来を見せていきたい!
そして、NFTなどに興味のある人たちに着物の面白さ、工芸と最先端技術の化学反応の面白さを伝えたい!

未来の着物文化を創るための企画がここからスタートします。

●応募から作品が出来上がるまで

具体的に企画の流れや作品制作について説明していきます。

企画の流れ

  1. 着物姿のコーディネート写真で応募。
  2. 選考後、モデル採用の方には採用決定の連絡が入ります。
  3. 採用が決定したモデル様から順番にイラストの制作がスタート。
  4. 出来上がったイラストのサンプル画像をSNSなどで発表させていただきます。
  5. イラストは完成したものからNFT作品として販売。(モデル様には優先購入の権利あり。)
  6. 40個全てのイラストが完成したらLINEスタンプとして販売スタート。

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写真提供のモデル様:狐宮灰音様
🦊狐宮灰音🦊(保護活動支援とモデル始めた着物販売したい化け狐) (@haine_fox) | Twitter

●作品の販売について

出来上がった作品はLINEスタンプとNFTアート作品として販売します。

LINEスタンプの販売について

40点すべてのイラストが完成してからの販売になりますので、実際に発売されるまでには約4カ月ほどのお時間がかかる可能性があります。
●40個セットでの販売。第一弾のLINEスタンプと同じように販売価格は120円の予定です。
第一弾の着物LINEスタンプ販売ページ
line.me


NFTアート作品の販売について
完成した作品は順次openseaにてNFT作品(世界に一つだけの画像データ作品)として販売していきます。
モデルになっていただいた方の特典として作品を優先的に購入できる権利をお付けします。
●作品が完成した時点でモデル様にTwitterのDMにてご連絡します。その際にNFT作品の購入を希望されるかご連絡ください。
モデル様が購入を希望されなかった場合は一般販売させていただきます。また、モデル様と連絡が取れない場合も一般販売とさせて頂きます。

重要なおしらせ
今回、LINEスタンプだけでなくNFTアート作品にもなりますが、
NFTってなんのことかわからない!って人も応募してもらって大丈夫です!
NFTはブロックチェーンという最先端技術によって、
データに所有権のような付加価値を持たせたものなのですが、
ここで説明すると長くなるのと、私も詳しくないので省略します。
すいません!
もしも、興味がある方はあのねのTwitterにDMなどでご連絡いただければわかる範囲でお伝えさせていただきます!

●作品になるモデルさんの応募条件

着物を楽しんでいるコーディネートであれば、フォーマル、カジュアル、和洋折衷、浴衣などなんでも応募可能。
●あのねのTwitterアカウントをフォローして、DMに着物のコーディネート写真を送ってください。
写真は何枚送ってもらっても大丈夫です。ただし、作品になるのは1名様につき、1枚~2枚です。すべての写真を作品にできるわけではないのでご注意ください。
あのねのTwitterアカウントはこちら。
twitter.com

募集人数は30名~40名ほど。
応募が募集人数を超えた場合、送っていただいた着物コーディネート写真を見させていただいて選考させていただきます。
LINEスタンプになるため、まっすぐ立っているポーズよりは何かしら動きがあるポーズのものを優先する場合があります。
また、顔出しがNGの方の参加も可能です。顔の部分を加工した写真を送ってもらえればコーディネートのみ参考にさせて頂きます。
●作品はすべて担当のイラストレーター様に描いていただきますので、
完成までは数カ月ほどのお時間がかかる可能性があります。
第一弾のLINEスタンプ40個の制作では約四カ月ほどの時間がかかっています。ご了承をお願いします。
●出来上がる作品についてご要望をお伺いすることはできません。
●出来上がったイラストはLINEスタンプとNFT作品として販売されます。
著作権はイラスタレーターさんにありますので、商用利用は一切禁止します。
アイコンなどでの使用について:NFT作品を購入して頂いた方は自由にSNSアイコンに使用して頂いて大丈夫です。

●イラスト担当のクリエイター

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      nenne(ねんね)

Instagram
●イラスト&デザインワークス
https://instagram.com/lily_nenne_design
●育児絵日記
https://instagram.com/66666nenne


●着物×LINEスタンプ×NFT企画まとめ

今回の企画は
●着物をもっと盛り上げたい!
●着物にもいろんなジャンルや着方があって、そのすべてが魅力的なことを伝えたい!
●最先端技術と絡めて、未来の着物をたくさんの人に伝えたい!今までと全く違う流れを着物に作りたい!
●着物と最先端技術を掛け合わせることで未来の着物文化を作りたい!

着物が大好きな人!着物をもっと広めたい人!
NFT×着物の新しい可能性を一緒に盛り上げたい人!
あのねの活動を応援したいなって思った人!

是非応募して頂けたら嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。



未来の着物ラジオ~あのね、着物NFTはじめました。~
stand.fm


生糸と練糸について。着物に使われる絹糸の種類。

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●生糸と練糸の違い

人生が楽になる着物ブログ、あのねです。
アートと染織を学んできて、現在着物メーカーで働く私が着物で毎日が楽しくなるお話をしています。

今回は着物の生糸(きいと)練糸(ねりいと)は何がちがうの?というお話です。

このサイトに来て頂いているということは、着物に興味をもって来てくれた思うので、

着物業界で働く私が、絹糸の種類について説明していきますね。

着物の基礎知識をわかりやすく学びたい人におすすめです!

● 実は生糸と練糸はおんなじ絹糸です!

生糸と練糸は見た目も質感も全然違うのに同じ絹糸なんです!

  • 生糸(きいと)

触った感じが少し硬くてシャリシャリしています。

  • 練糸(ねりいと)

さわり心地が柔らかく、光沢感が強いです。皆さんがイメージする絹糸はほとんどがこのイメージだと思います。

蚕さんが繭を作るのにはいた糸をそのままの状態で取り出したのが生糸表面を洗い落とした状態が練糸です。

●生糸とは蚕さんが吐き出した繊維そのもの!

生糸とは

絹糸の原料そのままが生糸。

そもそも絹糸は蚕さん。簡単に言うと蛾の幼虫さんが成虫になるときに繭を作るんですが、その時に吐く糸を使ってできています。

実はこの繭を作るときの糸ですが、蚕さんは約1200メートルもの長い糸をはくんですね。

この糸からできた繭をお湯につけて糸の端からするするっと引っ張ってきたものが生糸になるんですね。

蚕さんが作った糸をほぼそのまま使うのが生糸です。

ちなみにこの生糸を使った織物のことを生絹(すずし)とも言います。

一般的にイメージする絹糸と違って、硬くて張りがあり、シャリシャリした質感が特徴です。織物にすると透け感の表現もしやすい繊維です。

実は、この生絹はものすごく昔から使われていたようで、十二単は色を重ねるようにして着ていくのですが、この生絹の透け感を使って色の重ね方を楽しんでいたそうです。

昔は生糸を練糸に加工する技術がまだ不完全だったために生糸が主流だったようです。

●練糸は生糸を加工したもの!

練糸

生糸を使いやすく加工したのが練り糸。

生糸を練糸にするには精練(せいれん)という作業が必要になります。

生糸の質感が固くてシャリシャリしているのは、表面をセリシンという物質がコーティングしているからなのです。

精練を簡単に説明すると、そのセリシンを洗い流してあげる作業です。

そうすると、セリシンの中からフィブロインという繊維が出てきます。

これが光沢感と柔らかさを持った練糸なんですね。

現在では、絹糸を使ったほとんどの着物にこの練糸が使われています。

着物の美しい光沢感や、柔らかさはこの練糸を作る技術。精練によって作られていたんですね。

●生糸は練糸の元の姿。精練によって特徴も大きく変わります。

ここまで、生糸と練糸の違いについてお話してきました。

まとめてみると、

  1. 生糸は蚕さんが吐いた糸そのもの。
  2. 生糸はかたくてシャリシャリした質感がある。
  3. 練糸は生糸を精練という作業でコーティングを落として作る。
  4. 練糸は光沢感が強く、柔らかい特徴がある。

以上のような内容でしたね。

このブログでは着物に少しでも興味を持ってくれる方が増えるように、

難しい染織の技術や着物の文化についてできるだけわかりやすく発信しています。

stand.fmというラジオアプリでも配信をしていますし、

Twitterでも、着物やアートで創るこれからの新しい未来について発信していますのでフォローしてもらえたら嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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着物 染め物と織物の違い。

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●染め物と織物の違い

人生が楽になる着物ブログ、あのねです。
アートと染織を学んできて、現在着物メーカーで働く私が着物で毎日が楽しくなるお話をしています。

今回は着物の染め物織物は何がちがうの?というお話です。

このサイトに来て頂いているということは、着物に興味をもって来てくれた思うので、

着物業界で働く私が、着物の分類についてわかりやすく説明していきますね。

着物の基礎知識をわかりやすく学びたい人におすすめです!

● 染め物と織物は柄の作り方の違い。

着物において染め物と織物の決定的な違いは、柄の作り方です。

着物も衣服なので、布でできています。布を作るためには縦糸と横糸を交差させて織っていく必要があります。

一部、編み物や不織布のように織るという行為をしなくても作れる布は存在しますが、着物の場合はそういった素材は今のところ一般的に使われていないのです。

そのため、すべての着物は織って作られているとも言えます。

じゃあ着物はすべてが織物ともいえるかもしれないのですが、着物で染め物と織物を区別する場合はそういった分類ではないんです。

これは、どう分けているかというと、染めで柄を作っているのか、織りで柄を作っているのかの違いです。

●染め物は白い生地に絵を描くイメージ

  • 染めの着物

白い糸で生地を織りあげて、その上に染色(絵を描くなど)をすることで柄を作った着物。



●織物は先に染めた糸を組みながら柄を出すイメージ

  • 織りの着物

先に糸の色を染めて、いろんな色の糸を組み合わせて織り込みながら柄を作った着物。

以上のように染め物と織物だと作り方が全然違ってくるんですね。そのため、出来上がった着物の印象も変わってきます。

着物は染め物の方が豪華にできる。帯は織物の方が豪華にできる。


よく言われる分類として、着物は染め物が格が高い。帯は織物が格が高いと言われます。

これは染め物の着物の方が織りの着物よりフォーマルなものが多く、

織物の帯の方が染めの帯よりもフォーマルのものが多いという意味です。

これは着物と帯の格式区分とかを説明する時に必ずといっていいほど言われる内容なのですが、

なぜそうなっているのかについて書かれている情報がなさそうだったので

私の考えを書いておきます。

この着物と帯の格式が染め物と織物で逆転するのは実物を見比べるとよくわかるのですが、

着物と帯の使われ方や構造、柄の作り方に大きな違いがあるからなんですね。

織物の場合はたくさんの色数を使って複雑な柄を織るとどうしても裏にたくさんの糸がわたってしまいます。

糸がわたるというのはどういうことかといいますと、縦糸と交差する場所がなく横糸の一部が裏で浮いている状態になっていることを指します。

つまり、そのままだと横糸が引っかかったりしやすいですし、全体の糸の量も多くなるので生地が重くなります。

そのため、織物の着物では色数をたくさん使ったりしてフォーマルで豪華なものを作ろうとすると生地が重くて着づらいですし、

裏に糸がたくさん出ているので、単衣(ひとえ)といって裏地をつけない着物は作れなくなります。

織物の着物は色数を少なめにしないといけなかったり、生地の組織を複雑にすることは難しいのでカジュアル目な印象のものが多くなる傾向があります。

染め物の帯は格が低いものが多いのは逆の理由です。

染めの場合は平面の上に柄を染めて描いていくので染料の透明感の美しさは出るのですが、生地の組織で立体感を出すのには向いていません。

生地自体が凹凸が多かったり、特殊な素材を使ったりしていると染めをうまく施すことができなくなるからです。

それに対して織物の帯は金や銀の箔を素材として使ったり、糸の種類や織るときの組織の作り方によって立体感を表現しやすいため

染めの帯に比べて豪華な印象を表現しやすいです。

そのため、フォーマルな帯はそのほとんどが織物で作られているので帯の場合は織物の方が格が高いとよく言われるのだと思います。

帯と着物の格の考え方も
用途や染織の技法の特徴によってきまってきているんですね。


●染め物と織物では制作の仕方が全く違うので特徴も異なる。

ここまで、染め物と織物の違いについてお話してきました。

まとめてみると、

  1. 染め物と織物の違いは柄の作り方。
  2. 白い糸で織って、後から染めて柄を出すのが染め物。
  3. 先に糸を染めて、たくさんの色糸で織りながら柄を出すのが織物。
  4. 染め物か、織物かで出来上がる雰囲気や構造も違うので着ていく場所のイメージも違う。

以上のような内容でしたね。

このブログでは着物に少しでも興味を持ってくれる方が増えるように、

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手織りの価値 手織りにしかできないこと【織分け】

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●手織りの価値。手織りにしかできないことがある。

人生が楽になる着物ブログ、あのねです。
アートと染織を学んできて、現在着物メーカーで働く私が着物で毎日が楽しくなるお話をしています。


今回は手織りと機械織は何が違うのか?

手織りと言うと手作業で織るので手間がかかっているから価値がある。
そう思っている人は多いと思います。手作業だから高価。それは間違いではありません。

機械で一日一本織るような帯もあれば、手作業で何十日もかけて織るような帯もあります。
そうなってくると人件費が大きく変わるのは事実です。

では、なぜ機械が発達しているのに手織りをするのか、
それは人の手で手織りしないと織ることができない帯があるからです。

その一つが多色使い。織り分けといいます。

本日はなぜ織り分けに魅力があり価値があるのかについてお話していきます。

●織物の中で理論上無限の色が使えるのは手織りだけ。

手織りは何がいいのか。それはもちろん手作業であるところです。

工芸品においては手作りであることをとても価値があることだと言われます。

作家さんの一点ものなど手作りでしかできない味わいに人は価値を感じます。

私もそう思いますし、限定感があるほど魅力を感じるのは事実だと思います。

でも、手織りと機械織りはその技術に大きな違いがあるんです。

だから手織りは価値があるとも言えます。

その違いは、手織りは自由に色を変化させて使うことができるということです。
機械織りの場合は機械で早く織れますが、使える色の数や配色の仕方に制限があります。
しかし、手織りであれば理論上無限の色数を使うことができます。

どういうことなのか解説していきますね。

●手織りが高いのは技術の違い。

手織りは人間の手で織り込む横糸を動かしていくので、機械織りと織り方が違います。

横糸を入れるときの力加減も調節ができますし、

織るときには筬(おさ)という道具でギッコンガッタンと打ちつけながら織っていくのですが、打ちつけるときの力加減も変えることができます。

人間の感覚で調整できるので機械にはできない繊細な作業ができます。

色数についても同じです。

手作業で色糸を入れるので何度でも糸を変えることが可能です。

●機械織りの場合は色をセットしておける場所に限りがある。

機械織りは電気を動力に織っていくので人間が手作業で織っていくのに比べて、圧倒的に早く織れるのが魅力です。

しかし、デメリットもあります。

それは色をセットして置ける場所に限りがあることです。

手織りの場合は人間の手で色糸を変えていましたが、機械織りの場合は杼箱(ひばこ)といって、

杼(ひ)という横糸を巻いた道具をセットしておく場所があります。

機械の型などによっても違いがあったり、織機にもいろいろなメーカーのものがあるので杼を使わない織機もあるのですが

横糸に使う色糸をセットしておかないといけないという点ではほとんどの織機で共通しています。

そのため、機械織りの場合は一度に使える色数には制限があります。

また、経糸(たていと)の上げ下げをしてその間に横糸を通すので織物では模様を作ることができるのですが、

その経糸を織機では紋紙(もんがみ)という、すごく簡単に言うとオルゴールのような機械で制御しています。

一部の織物を除いて、手織りも機械織りもこの紋紙の通りに織ることで柄を作るのですが、

手織りの場合はこの紋紙で経糸を制御してあげた部分の一部を赤の糸で織って、他の部分を黒で織るなどの織り分けができます。

これは機械にはできません。機械織りの場合は同じ紋紙で制御されている一列分については同じ色でしか織れません。

別の色に分ける場合はもう一枚分、紋紙のデータが必要になります。

この紋紙の数が増えれば増えるほどコストがかかるので、複雑にすればするほど織るのも難しく、機械で織っているコストの低さというメリットがなくなっていきます。

この織り分けは手織りにしかできない技術です。手織りの方がより複雑な配色の織物を作ることができるのです。

●しかし、機械織りの職人さんも、ものすごい技術を持っています。

ここまで聞くと、手織りがすごくて機械織りはすごくないように聞こえますが逆に機械織りにしかない魅力もあります。

何と言っても手織りは時間も手間もかかるのでコストがかかり、値段もびっくりする値段がついたりします。

もちろんそれだけの価値もありますが、みんなが持てる物ではないかと思います。

それに、機械織りは機械が織っているから職人さんは何もしないで自動で織ってくれるのかというとそんなことは全くありません。

経糸の張り具合を調整したり、織りやすい部屋の温度や湿度の管理、何より機械がスムーズに動くように様々なメンテナンスの知識が必要です。

トラブルが起きて糸が切れてしまったりしたら何千本もの糸をつなぎなおしたりもします。

手織りに比べると一本あたりにかかる時間は短いかもしれませんが、

織りあげるのにかける手間はとても多いです。

私は手織りもしたことがありますし、機械織りの機械も触ったことがありますが手織りの方がアナログで調整できるので自分にはやりやすいかもしれないと感じたぐらいです。

それぐらい専門的な技術が必要になります。

●手織りと機械織りは手仕事か、機械かの違いではない。

ここまで、手織りと機械織りの違いについてお話してきました。

まとめてみると、

  1. 手織りにしかできない技術がある。手作業だから高いというだけではない。
  2. 手織りは理論上無限の色が使える。機械織りは制限がある。
  3. 手織りは機械織りよりも複雑な色の織り分けができる。
  4. 手織りと機械織りは技術が全く違う。それぞれに難しさがある。

以上のような内容でしたね。

このブログでは着物に少しでも興味を持ってくれる方が増えるように、

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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染物と織物の違い。着物初心者さん基礎知識。

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こんにちは!
工芸×最先端技術で未来を創る
未来工芸クリエイター あのね です。

高校で美術を、大学で染織工芸を勉強してきて、
現在は着物業界で働いています。

工芸に最先端技術を組み合わせて新しい価値を届けたいと思っています。

染物と織物の違い

今回は私が最もメインで発信していきたい着物についてのお話です!

着物なんて着ないよって思ったあなた!

AIだとか5Gだとか言われてる時代に伝統工芸とか古臭いと思いましたよね?

でも、こうも考えられます!

デジタルなテクノロジーがたくさんあるこんな時代だからこそ、
アナログな工芸の価値はこれからどんどん高まっていきます!
これからはアートや工芸などの人間にしかできないことの価値がどんどん上がる時代です。

これからの時代を考えるうえでも伝統工芸にも興味を持ってもらえたらと思います。

あらためまして、今回は日本人なら誰でも知っている工芸品。
着物のお話です!

着物にはいろいろな種類がありますがその分類の中でも

最も大きな分類である染物織物の違いを説明していきますね!

染物と織物の違いは柄の作り方!

着物においての染物と織物の決定的な違いは柄をどのように作っているかです!

着物は皆さん知っているように衣服なので布でできています。

布を作るためには糸を織ったり編んだりして作っていく必要があります。

着物の場合は編み物の着物はほぼないと思うので、

着物になる布は織られることで作られています。

つまり、着物の構造を考えるとすべて織物ですともいえるのですが、

今回のお話はそういうお話ではありません。

着物には染物の着物と織物の着物の二種類があります。

これはどのように分けられているかというと、

染めで柄を作っているのか、織りで柄を作っているかの違いです。

染めの着物とは?織りの着物とは?

  • 染めの着物

白い糸で生地を織りあげて、その上に染色(絵を描くなど)をすることで柄を作った着物。



  • 織りの着物

先に糸の色を染めて、いろんな色の糸を組み合わせて織り込みながら柄を作った着物。

以上のように染めの着物と織りの着物は分けられます。

基本的には染めの着物がフォーマル

織りの着物がカジュアルとは言われますが現代では必ずしもそうとは言えなくなってきています。

伝統工芸である着物の染織技術も年々進化してきており

新しい感性や発想による着物もたくさん出てきています。

ややこしいのですが、紬の生地に染めをしたカジュアルな着物などもたくさんあります。

なのであくまでも
着物は染めで柄を作った方がゴージャス感をだしたり、フォーマルな雰囲気を表現しやすい。

織物だとカジュアルな雰囲気が表現しやすく、
普段着を作りやすい。

以上のようなイメージをもってもらえたら大丈夫です。

このあたりについてはまた詳しくお話しできたらと考えています。

種類や特徴を知るとより面白くなる工芸品

今回は着物についてまったく知識がなくてもわかるように染め物と織物の違いをまとめてみました。

染物と織物の違いは

  • 柄をどうやって作るのか。
  • 先に染めるのか、後から染めるのか
  • やわらかさ、手触りの違い。
  • 染めはフォーマル多め。織りはカジュアルが多め。

以上のような部分でした。

伝統工芸と聞くと、なんとなくとっつきにくいし

難しいルールも多くてよくわからないという人も多いと思います。

私もまだまだ知らないこと、わからないことも多いです。

それぐらい工芸には長い歴史があり、たくさんの人の想いが詰まっています。

だから魅力もあるのです。

私は主に着物の勉強をしながら、

  • 着物や工芸の魅力。
  • 現代の着物文化について。
  • 最先端技術を組み合わせた新しい着物文化について。

以上のような発信をしていきたいと思っています。

このブログでは着物に少しでも興味を持ってくれる方が増えるように、

難しい染織の技術や着物の文化についてできるだけわかりやすく発信しています。

stand.fmというラジオアプリでも配信をしていますし、

Twitterでも、着物やアートで創るこれからの新しい未来について発信していますのでフォローしてもらえたら嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

stand.fm


自己肯定感ゼロから自分を好きになるまでの実体験

【工芸とアートで未来を創る】aNone sOnoneです。

今回は五体不満足の作者、乙武洋匡さんの本「自分を愛する力」を読んだ感想文を書きたいと思います。


自分を愛する力 (講談社現代新書)

最近は自己肯定感が大切と言われます。私にはちょうど生後6か月の息子もいるのでどうやって自己肯定感を育ててあげたらいいのかと疑問も持っていました。

そんな疑問にたいして、楽しく学べて感動する素敵な本だったので是非お勧めしたいです。

自己肯定感とは、自分で考え、自分で決断することができる力。

他人に、社会に、世界に流されるのではなく自分が思ったことを世の中に自信もって発信していける力。

私はこの本を読んだことで自分自身の人生を見つめなおすことができたので、人生を振り返りながら感想を書いていきます。

自己肯定感の基礎は環境。行動が育てる。

私は自分が好きです。ナルシストだとも思います。ぬいぐるみのアーティスト目指していて、描いた絵や作品を使ってグッズの制作と販売をホームページでしています。工芸が好きで30代妻子持ちで衰退産業である着物業界に転職するちょっと頭のねじ飛んでる人でもあります。

人生成功しているかというとまだまだですが、ものすごく楽しく生きています。なぜこのように生きていられるのか、自己肯定感はどうやって高めてきたのか。

結論は環境と行動だと思う。周りの環境、そしてとりあえずやってみるという強い意志が自分の自己肯定感を作り、支えていると思っています。

乙武さんは本の中で環境の大切さについて書いています。

両親、学校の先生。幼いころの環境の大切さを伝えてくれています。

しかし私は乙武さんとは違いました。私は子供のころから自己肯定感が高かったわけではありません。

それどころか、かなり自己肯定感の低い子供でした。そんな私が変われたのは大切な友人との出会い。そして、行動することでした。

これは人間として底辺に近かった私が、前向きに頑張れるようになるまでの物語です。

  • 自分に自信がない人
  • 自分は子供のころの環境が良くなかったと思っている人
  • 人生は変わらないと思っている人

以上のような人に読んでもらえたら嬉しいです。

子供時代の自己肯定感0

私は乙武さんとは違い、健康な体でうまれました。
両親と2人の弟のいる5人家族。

子供のころから絵を描いたり工作したりするのが大好きな男の子でした。

特別貧しくもなく、普通といわれる幸せな家庭だったと思います。

しかし、私はとにかくコミュニケーション能力がありませんでした。自分に自信もありませんでした。

基本的に過去のことはどんどん忘れるタイプなので覚えていることは少ないのですが、今でも思い出せる記憶が3つだけあります。

「あ」って言ってみて。

小学生の頃でした。教室で机に座っているとクラスの明るい女の子が急に話しかけてきました。

「あ」
って言ってみて。と女の子は言いました。

「あ。」
と私は声を発しました。そうすると女の子は

「あ。って言ったー!」と喜んで帰っていきました。

女の子に悪気があったわけではありません。きっと一人でいる私に何か声をかけようとしてくれたのだと思います。

心の中では「声ぐらい出せるにきまってるだろ。」とか思っていましたが、声をかけてくれたことは嬉しかった記憶があります。

それぐらいコミュ障でした。

親の言葉は一生残る。

うちの母は体が弱いですが、出張でほとんど家にいない父の分まで1人で男の子を3人も育ててくれました。

とても感謝していますし、休みもないぐらい働いて養ってくれた父も尊敬しています。

しかし、もともとバリバリのキャリアウーマンを目指していた母は、お見合い結婚したことで強制的に仕事ができなくなり、

その不満がずっとあったため夫婦仲はすごくいい、とは言えませんでした。

ある日の夜、父と母が喧嘩していました。

その時、母が言った言葉は忘れられません。

「 (息子三人のうち) 誰か一人でも死んだらいいんやろ!そうでもしないと家にも帰ってこないんやろ!!」

その言葉は幼い自分にとっては衝撃でした。

私も結婚して子供も産まれましたが、子供の前でこの言葉だけは言ってはいけない。そう心に刻むぐらいにはショックを受けました。

漫画家の夢を否定される。

絵が少し描ける子供はだいたい漫画家になりたいと思います。私もその一人でした。

母は芸術について理解のある人でしたが、父は完全に理系の人間で漫画家なんて食っていけないと反対的でした。

ある誕生日。プレゼントを買いに電気屋さんに行きました。父はゲームソフトでも買おうと電気屋に連れてきたのだと思いますが、
私は漫画を描くPCソフトを見つけてこれが欲しいと言いました。

父はそんなものを買うならこっちにしておけと、PCで3Dのモデリングができるソフトを持ってきました。

納得はできなかったですが、漫画のソフトは買ってもらえそうになかったのでモデリングのソフトを買ってもらいました。

1度だけ使いましたが、それっきりそのソフトは使っていません。いつの間にかそのモデリングソフトは父が三男に渡していました。

私が誕生日にもらったものなのにという気持ちはありましたが、あまり考えたくありませんでした。

私の子供時代の自己肯定感

前置き長くなりましたが、子供時代の私は自己肯定感が低かったと思います。

自分の意見を言うこともできず、おとなしく、学校でも目立たないように生きていました。

親のことはひどいように書きましたが、これくらいが普通だと思います。親だって完璧ではないです。

良くないことを口走ってしまうこともあるし、子供の将来のためを思って漫画家をあきらめさせたかったのだと思います。

自分が親になった今ならそれがよくわかります。

大学進学。友人との出会い。環境の変化。

自己肯定感が低いまま育った私でしたが、両親に一つとても大きく認めてもらったことがあります。

それは美術を勉強することです。私は美術系の大学に進学させてもらうことができました。

父としてはあまりよく思っていなかったと思います。

でも私は生まれて物心ついたころから自分の人生は美術しかないと思って生きてきました。

コミュニケーションも苦手、運動もできない、頭がいいわけでもない。図工や美術の時間だけが自分が輝ける場所でした。

子供のころから絵画コンクールなどは賞を取ってきていたこともあり、母が強く説得してくれました。

これには本当に感謝しかありません。

大学で実家を離れ、生活環境は大きく変わりました。

自分の本当にしたいことに全力を傾け、同じ目標を持つ仲間と出会いました。

毎晩のように芸術やアートについて語る日々。この時期に出会った友人は私にとって最高の財産です。

初めて自分らしく生きることができた気がしました。

私の性格が変わり始めたのもこの時です。

本音で話せる友達ができた。
ただそれだけのことと思う人もいるかもしれませんが、それだけで本当の自分を認めることができました。

友人には感謝してもしきれません。

私にとっての自己肯定感の基礎はこの時期に出来上がっと思っています。

もちろん子供のころに土台ができたほうが人生において有利だと思います。

大学時代の友人に人生経験豊富で考え方が成熟した友人がいました。

その友人を横に見ながら自分のレベルの低さを感じていたのを覚えています。

しかし、自分を肯定してもいい。自分の好きなように生きてもいいのだと気づけたので、優秀な友人に追いつくには努力するしかありません。

自分を信じることができずに、挑戦を避けてきた私には、経験値が圧倒的に足りませんでした。

社会人になって立派な社畜に。失敗経験ばかり積み上げる。

大学を卒業してからは、普通に就職しました。

もしも、今の私がそのまま大学生に戻れるのなら本気でアーティストを目指したと思います。

しかし、当時の私にそこまでの自己肯定感はありませんでした。基礎はあっても自分の力で結果を出した経験が足りなかったのです。

世の中の常識に流されるように就職しました。

・新卒入社の会社で、社長目指して頑張るが、永遠に安月給で挫折。
・マルチに誘われて、全く稼げず損だけして挫折。
・飲食店の店長を経験してマネジメントを学ぶが、頭の回転も要領も悪いため自分の能力の限界を感じる。精神的にも辛くなり逃げる。

もっとたくさんありますが、社会人になり、自分で考えて行動する中でたくさんの失敗をしてきました。

成功体験が、自己肯定感を高める。
それはもちろんだとおもいます。
しかし、失敗も成長ではあります。
行動して失敗を経験することが、自己肯定感を高めるための準備期間だと私は思います。

乙武さんの苦労に比べれば私の失敗など大したものではないですが、

そこは同じだったのではないかと思います。

本の中でもエピソードが出てきますが、両腕両足がないために普通の人ができることができない。

その壁にぶつかるたびにたくさんの失敗と挑戦をくりかえりてきたのだと思いました。

YouTubeで行動。自分で考え行動したことが結果につながる。

私は去年の年末ごろ。YouTubeでおすすめに表示された動画からビジネス系YouTuberという人達を知りました。

知識も情報もなく、ただ盲目的に頑張っていただけの私にとってこれは大きな出来事でした。

実はこの感想文も、マナブさんというYouTuberの動画をみて書こうと思いました。マナブさんのYouTubeにはいつもたくさんのことを勉強させてもらっています。

2月にはエンタメ系のYouTubeはみなくなって、ビジネス系だけ見るようになり行動を変化させることができました。

それまでの私は【素直である】ことが何より大切だと思って行動してきました。

先人が作った会社のシステム、社長や上司の言葉、自分より成功している人の言葉を信じてまず行動すること。

それが大切だと思い、思考停止してその通りに会社というシステムの中で社畜として頑張ってきました。

他人の何倍も時間をかけて、新卒のころから自主的にサービス残業したり、根性論でいくら頑張っても大きな結果には結び尽きませんでした。

今でも素直さは大切だと思っています。

しかし、今思えば、他人が作った会社の中で頑張っているだけだったから自分自身の充実感は得られなかったのだと思います。

そこにビジネス系YouTubeを取り入れて行動したとき、はじめて自分で考え、自分で行動して結果が出た実感がありました。

親でも、学校の先生でも、会社の上司でもない、社会から自分自身が認められた気がしました。

YouTubeを見て行動に移したこと。

・本当に好きなことで生きていくと決意する。
・【工芸とアートで未来を創る】を信念に掲げる。
Twitterを始める
・スキニーギニアピッグというマイナーなペットの絵を1ヶ月半で30枚描いてInstagramにアップ。
Instagramは個人アカウントとしての運用はやめてビジネス用に特化して強化する。
・ココナラというサイトでスキニーギニアピッグのペットイラストの受注始める。
・本を読む習慣を作る。
はてなブログでブログ始める。
・‪SUZURI‬というドロップショッピングサイトに登録して自分のイラストを使ったグッズ商品を販売。
・海外からの商品購入ハードルを下げるために、自分のECサイト開設。
pinterestを始める。

以上が主に行動したことですが、結果が出たこともあれば全くでなかったものもあります。

ビジネスとしての約3ヶ月半の成果は以下です。

●ブログ 
売り上げ 4円

●ココナラ イラスト受注 
売り上げ 0円

●イラストを使ったグッズ制作 
売り上げ 12,570円円 

合計売上 12,574円 利益-816円

実際に3カ月半やって現状は赤字です。

これがリアルな現状ですが、行動しなかったらこの結果も出ていません。

自分だけの力で売り上げを創れた。まだ赤字ですが、こんなにうれしいことはないです。

行動すれば行動するほど自分自身が好きになれる実感がわいてきます。
逆に行動できないときは自分に失望します。自己肯定感とは行動によって育つということを実感しました。

自己肯定感は土台を環境が作る。育てるのは自分自身の行動。

ここまで私自身の自己肯定感について分析してきました。

私はまだ自己肯定感は成長途中です。成功体験も多くありません。

しかし、一歩一歩成長してきました。

「あ」って言ってとクラスの女の子に言われていた時代を思うと大きく成長しました。

それは私にとっての成功体験だと思っています。

現在31歳。まだまだ人生楽しみで仕方がありません。

今は着物の製造販売を本業でしながら、イラストを使ったグッズの販売サイトを運営。

やっと自分らしく生きるためのスタート地点に立てました。

芸術を学んでいる学生は山のようにいるのに、アーティストで生計を立てていけるのはほんの一握り。

その状況を何とかしたい。学生のころからそう思っていました。

アートで生きれる人を増やしたい。そのためにも自分がまず成功すること。
これからAIとテクノロジーの時代だからこそ、アートと工芸の価値が上がる。
それを現実にできるように頑張っていきたいと本気で考えています。

自己肯定感についてのまとめ

  • 自己肯定感には環境が重要。基礎ができる。
  • 環境によって、自分は自分らしく生きていいんだと自信を持てる。
  • 自己肯定感を育てるには行動が重要
  • 人生の失敗は自己肯定感を育てるための準備期間
  • 自己肯定感は成功体験によって作られる。
  • 成功体験は失敗を繰り返し、行動を繰り返すことでできる。

乙武さんの「自分を愛する力」は自己肯定感とは何かについて深く考えさせられる本です。

幅広い方に是非読んでもらいたいと思っています。

自分を愛する力 (講談社現代新書)

  • 自分に自信のない人。
  • 現在子育てをしているお父さん、お母さん。
  • 部下を教育している上司の方。

以上の人にもおすすめです。

最後に私から伝えたいのは誰だって自分らしく生きれる。
自己肯定感を高めることはできるということです。こんなにコミュ障で能力の低い私でも自分を好きになれました。
環境が悪かったとあきらめない。行動が自分を変えていくと私は信じています。

今回初めて読書感想文を書きましたが、かなり楽しく書けました。

また次回おすすめの本があれば書きたいと思います。

このブログでは着物に少しでも興味を持ってくれる方が増えるように、

難しい染織の技術や着物の文化についてできるだけわかりやすく発信しています。

stand.fmというラジオアプリでも配信をしていますし、

Twitterでも、着物やアートで創るこれからの新しい未来について発信していますのでフォローしてもらえたら嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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着物を展示会で買うのは安いのか?

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着物を展示会で買うのは安いのか?

【工芸とアートで未来を創る】aNone sOnoneです。

着物の業界に関わりながら仕事している私が着物に興味を持った人が失敗しない着物の買い方についてお話します。

今回はセールのようで安いと思われがちな「展示会」がどんな人に向いているかについてです。

  • 着物に興味をもった人
  • 着物の展示会に興味がある人
  • 着物を買いたいけど、どこがいいかわからない人

以上のような人に読んでもらえたらありがたいです。

結論として展示会は高い

まず結論から言うと展示会は着物がお得に買えるか?という疑問に答えるなら、いいものは高いが正解です。

これは展示会のビジネス構造によるところも多いので詳しく解説していきます。

展示会はバーゲンセールのようなものというのは間違いです。

着物の流通について

まずそもそもの着物の流通についてですが、

着物を作る職人、生産者(メーカー)→産地問屋→集散地問屋(京都)→地方問屋→売店着物を買う人(消費者)

以上の流れが一般的です。

展示会は小売店が行うのが一般的ですが、着物を作っているメーカーから小売店に商品が来るまでには約3つぐらいの問屋さんが挟まります。

メーカーで作られた着物はまずその地域の問屋さん。西陣織なら京都の西陣問屋、加賀友禅なら金沢の産地問屋さんにまず卸されます。

産地問屋さんに卸された着物はすべて一度京都に集まります。そして京都から全国へ送られます。

売店のある地方の問屋さんに卸され、そこから小売店に卸された商品を私たち(消費者)が見ていることになります。

問屋さんは商品を仕入れて、管理し、卸すことでマージンを取って利益を出しています。

そのため、売店に届くまでにたくさんの問屋さんを経由して流通が複雑になるほど着物の値段は高くなります。

この流通は物を商品として売っていれば必ずあることですが、時代の流れとともに省略されたりしている部分も出てきています。

しかし、着物業界は古い体制が残っているのでたくさんの問屋さんが挟まるこの流通が色濃く残っているのが現状です。

着物の値段が高くなりやすい原因の一つにこの昔からの流通システムにあります。
現在は飲食店でも生産者から直接食材を仕入れていい食材を安く仕入れたり、
大手のファッションブランドだとユニクロのように自社で工場を持って生産し、自分で店舗も持って小売りをすることで価格を下げている企業もあります。
スーパーでも自社ブランドの商品は安かったりするのは流通による経費が掛からないからですね。

着物にはたくさんの職人さんの熟練の技術がつかわれていています。そのため高価になるものが多いです。
安い賃金で働かされれば職人の生活はできなくなりますし、技術の継承もできません。技術やクリエイティブな仕事には正当な対価が必要です。
ビジネスである以上、どこにお金をかけてお客様にどんな商品をどんな方法で届けるのか、業界が変わっていかなければいけない部分も多いです。

展示会の商品は借りているからより高くなる。

さて、着物の流通について大きな流れがわかったところで、展示会についてさらに深堀りしていきます。

展示会では通常の呉服店(小売店)に置いている商品だけでは商品の種類も数も足りないので、たくさんの商品を集めます。

その時に小売店は商品を仕入れて買ってくるのではなく、借りてきています。

売店も展示会のためにたくさん商品を買って仕入れても、売れなければ大量の在庫を抱えるためリスクになります。

そうならないように商品を問屋さん経由でメーカーから借りてきます。

ただし、メーカーも売れなければ返品されるリスクがあるので通常の価格と同じ値段では貸せません。

問屋:たくさん仕入れたいんだけど、在庫残るのは困るから商品買うんじゃなくて貸してくれないかな?
お客さんが買ってくれたらお金払います。

メーカー(生産者):うーん。買ってくれるなら10万だけど、貸す場合は売れなかったら返品されちゃうのか。こっちにもリスクあるから12万円なら貸すね。

問屋さんと以上のようなやり取りをすることになります。

このやり取りを産地問屋→集散地問屋→地方問屋と繰り返していくので仕入れている商品よりも借りている商品の方が流通のコストが高くなります。

こういう理由があるので、展示会で販売されている着物は通常販売されている着物よりも割高になることが多いのです。

展示会の目玉商品。安い着物には理由がある。

いやいや、展示会にも実際に安い着物とか売ってるから必ずしも高いものばかりじゃないという人もいるかもしれません。

実はそこにもちゃんと理由があります。

展示会で目玉商品になっている安い着物はデパートの在庫処分品と同じです。

着物は洋服のように消費の回転が速いものではありません。

そのため作られてから何年も問屋さんのなかで在庫として眠っていたり、小売店でも10年近く売れ残っている商品もあります。

そういった在庫品を展示会に並べることが多いです。

もちろん古いからといってすべて悪いものではないので掘り出し物がある可能性はありますが、値段が安いことにはちゃんと理由があります。

これは別に着物業界に限ったことではないですが、安くなっているものには必ず理由があります。
ビジネスである以上価値があるのであれば普通は安く売ったりしません。物販の場合は在庫を管理するのにも経費が掛かります。安くしても売ってしまいたい。
安い値段目当てで来るお客さんを集めたいので安いものを置いているのです。

展示会にかかる経費と着物の価格

展示会はイベントなので、規模にもよりますが会場を借りる費用や芸能人などを呼んだりと別の費用が掛かることもあります。

そういった広報や集客のためにもお金がかかっているのでその分も着物の値段に上乗せされています。

こうやってビジネスの構造を考えていくと展示会で販売している着物がお得ではないことが多いことがわかってくると思います。

さらに、着物の場合は生産者であるメーカーに販売価格を決定する権利はありません。

メーカーは問屋さんに出荷する金額は決めることができますが、実際に店頭で販売する価格は決めれません。

販売価格は小売店が決めます。そのため、メーカーの人間がみても驚くような値段がついた帯や着物も存在したりします。

200万ぐらいの高い値段をつけてある着物を販売会で着つけられて、「気に入って買ってくれるなら90万まで下げます!」みたいにあり得ない値下げが行われたりもします。

これはものすごくお得に見せているだけで、実際はそんなにお得ではありません。

適正価格がわかりにくいので知識がないまま、言われるままに買ってしまうともったいない場合もあります。
ただし、これは一部の良くない呉服屋さんがやっているだけなので、もちろん良心的ないい呉服屋さんもたくさんあります。

そのため、信頼できる呉服屋さんを見つけることが着物を買ううえで、とても重要になってきます。

展示会のメリット

ここまでの内容だと展示会にメリットなんて何もない。

高いし、売りつけられるからよくない!と思うかもしれませんが、メリットもあります。

それはたくさんの着物が一か所に集まっていることです。

着物は洋服のように大量生産していないものが多いです。

作っているメーカーの規模やブランドにもよりますが、色のバリエーションを含んでも日本に50本ぐらいしかない帯や、作家さんの1点もの着物なんてものもあります。

着物の場合は気に入ったものに出会えるかどうかがすごく大切です。そのためにはたくさんの着物と出会う必要があります。

高い買い物なので興味があるものすべて買っていたらお金がいくらあってもたりません。

着物は恋愛に似ているという話がありますが、まさにそうだなって思います。

たくさんの異性に出会ってみないと自分にふさわしい人なのかわかりません。

そういう意味ではいろんなお店の着物が集まる展示会は恋愛でいうと、婚活パーティーみたいなものかもしれません。

たくさんの着物を集めて出会いの場を提供してくれているので、その分費用は掛かります。しかし、たくさんの着物と出会うことができるので運命の着物に出会える可能性は高いです。

展示会のいい点、悪い点を知ったうえでうまく使う。

結論として、展示会はいいものは高い値段で販売されています。

展示会におすすめな人

  • 着物にはお金をかけてもいいものが欲しい人
  • 本当に自分の好みに合った着物をたくさんの中から見つけたい人
  • 自分で好きな着物とそうでない着物が判断できる。
  • 着物について最低限の知識がある。

販売員の意見に流されないくらいの知識があって、ある程度お金をかけれる人にはおすすめ

展示会がおすすめでない人

  • 着物の初心者さん。
  • 着物の知識がない人。
  • 自分で良しあしが判断できない人。
  • おすすめされたときに断るのが苦手な人。

お金を出せば物はいいものが買えるかもしれないが、好みのものが選べなかったり、言われるままに買ってしまって後悔する可能性があるのでおすすめできません。


昔のネットの記事などを読むと展示会での強引な販売や、販売員の失礼な態度などに対する怒りや悲しみの文章がたくさんあります。

着物を売る側はまだまだ改善が必要です。お客様に安心して購入できる場所を作ることがこれからもっと求められていくと思います。

着物を買う側も、どういうところに買いに行くのか、自分の求める価格帯やジャンルに合っているのか勉強する必要があります。

商店街にある服屋さんと都会の駅前ビルに入ったブランド店では置いてある洋服も、来るお客さんも、接客の仕方も違います。

洋服ならわかるのに、和服だとお店の違いがわからないのが現状難しいところです。

情報が少なくて知らないがために、悲しい思いをしたり、着物を嫌いになったりする人もいます。

そういった人が一人でも少なくなるようにこれからも情報発信していきたいと思います。

最後まで読んでもらってありがとうございました。

このブログでは着物に少しでも興味を持ってくれる方が増えるように、

難しい染織の技術や着物の文化についてできるだけわかりやすく発信しています。

stand.fmというラジオアプリでも配信をしていますし、

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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